風俗業界の中でも特に人気のある業態である「デリヘル（デリバリーヘルス）」について、その仕組みや仕事内容を正しく理解している方は少ないかもしれません。

当記事では、デリヘルの基本的な定義からホテヘルとの違い、実際の業務の流れ、給与の仕組みなど、業界に詳しくない方にも分かりやすく解説します。特に、事務所での待機から送迎・接客・報告といった一連の流れを具体的に紹介するので、実際の勤務・サービスの内容などをしっかり理解しましょう。

デリヘルとは、正式には「デリバリーヘルス」と呼ばれる出張型の風俗業態です。

一般的な風俗店と異なり、店舗内で接客することはなく、利用客の自宅やホテル（ラブホテル・ビジネスホテルなど）に女性を派遣してサービスを提供します。ソープランドのような専用設備を必要としないため、設備投資や衛生管理にかかるコストを抑えやすく、開業しやすい形態として知られています。

サービス内容は、性交渉を伴わないヘルスプレイが中心です。コスプレや道具の使用など、オプションを設ければ単価を上げることも可能なので、運営方針によって収益性は大きく変化します。

デリヘルとホテヘルは、どちらもヘルスプレイを提供する風俗業態ですが、営業形態に違いがあります。

デリヘルは出張型の風俗で、利用客の自宅やラブホテル、ビジネスホテルなどを訪問してサービスを提供します。これに対しホテヘルは受付所を構えており、受付所の近くにあるホテルやレンタルルームに限定してサービスを行います。

また、営業可能な時間にも違いがあり、デリヘルは24時間営業が可能ですが、ホテヘルは地域条例により24時までの営業に制限されています。このため、深夜以降はデリヘルとして営業形態を切り替えているホテヘルも存在します。

デリヘルの仕事内容は、店舗や女の子によって内容が異なるものの、大きく分けて「基本プレイ」と「オプションプレイ」に分類されます。

基本プレイには、フェラチオ・キス・手コキ・全身リップ・玉舐め・素股・シックスナインなど、いわゆるヘルスプレイが含まれています。これらのサービスは多くの店舗で追加料金なしで提供されており、プレイの流れとして「キス→全身リップ→フェラチオ」が定番です。

一方、オプションプレイには、ごっくん・イラマチオ・顔射などのハード系、ローター・バイブ・電マなどの道具プレイ、コスプレ・パンスト破り・オナニー鑑賞といったフェチ系、さらには性感マッサージ・泡洗体などのエステ系サービスなどが含まれます。オプションを追加することで単価が上がるため、デリヘルの収益性にも直結する重要な要素です。

デリヘルの営業は、キャストの待機から移動、接客、帰店までを一連の流れとして管理する必要があります。

ここでは、事務所待機型を例に、デリヘルの仕事の流れを紹介します。

キャストは出勤後、事務所や待機スペースで待機します。指名や予約が入るのを待ちながら、ヘアメイクや身だしなみの調整、顧客情報の確認などを行います。

待機場所は店舗の運用方針によって異なり、集団待機・個室待機・ネットカフェ待機・自宅待機といった選択肢があります。近年では、他キャストと顔を合わせない仕切り型の待機スペースを導入する事業者も増えています。

多くのデリヘル店舗では専属ドライバーによる送迎があり、安全かつ迅速に現場まで移動します。近距離であれば徒歩や公共交通機関で移動するケースもありますが、車送迎が主流です。

移動中に、キャストはメイクの最終チェックや顧客情報の確認、対応マニュアルの再確認などを行います。

顧客が指定したホテルに到着した後は部屋番号の確認や受付での対応を行います。一方、自宅派遣の場合には直接訪問することになるため、トラブル防止の観点から事前の確認が重要です。

顧客との初対面の場であり、キャストの対応は店舗全体の評価につながります。店舗全体で挨拶やマナー、言葉遣いなどの接遇指導を徹底しておきましょう。

キャストが現地に到着し、顧客との合流を確認した時点で、まずは店舗へインコールを行います。この連絡によって、店舗側ではプレイ開始時刻の記録や対応体制の開始を行います。

インコールと同時に、顧客に対して料金の確認と現金での精算を行います。精算はキャスト自身が対応するケースが多いので、金銭トラブルが起きないようにマニュアルを用意しておきましょう。

プレイ開始前に、コース時間に合わせたタイマーをセットします。終了10〜15分前にアラームを鳴らしてシャワーや身支度の時間を確保し、次の予約に影響を及ぼさないようにしましょう。

時間を過ぎての延長要求、タイムオーバーによる苦情などを未然に防ぐため、確実にタイマーをセットしておく必要があります。

サービス前のシャワーは、衛生面の確保と接客開始の導入という2つの意味があります。

キャストは泡立てたボディソープで顧客の体を洗い、全身を丁寧にケアします。キャストはこの間に顧客との距離を縮め、リラックスした雰囲気を作りましょう。清潔感と気配りのある対応が、その後のプレイ満足度に直結します。

シャワーを終えた後は、予約されたコースの内容に基づきプレイが始まります。プレイ内容は基本プレイが中心ですが、オプションを付けることも可能です。ただし、本番行為は違法となることをしっかり顧客に理解してもらいましょう。

プレイ中は疑似恋愛のような雰囲気づくりが求められます。

プレイ終了後には、再度シャワーを浴びて清潔な状態に戻します。シャワー後は別れの挨拶とともに名刺を渡すなど、次回指名につながるようなフォローを行いましょう。キャストは、「お客さんと別れるまでが接客である」という意識を持つ必要があります。

プレイが終了したら、キャストは店舗に「アウトコール」と呼ばれる終了報告を行います。アウトコール後、店舗側では勤務時間や安全確認、次の送迎などの対応を開始します。送迎手配が必要な場合は、直ちにドライバーへ連絡し、速やかに迎えを行います。

不正防止やトラブル対応にも活用されるため、タイムスタンプや通話履歴を残す運用を行いましょう。

アウトコールを受けた後、キャストは送迎車で次の現場または事務所に移動します。予約が続いている場合は、ドライバーと連携してスムーズに次の現場へ向かいます。移動時間を使って、キャストは身だしなみを整えたり、接客の内容を整理したりといった準備を行います。

送迎中のトラブルを避けるため、ドライバーとの会話ルールや業務外の接触制限などを設けているお店もあります。

デリヘルの給料は、歩合制が基本で、顧客が支払う料金の50〜70％がキャストの取り分になります。例えば、90分15,000円のコースなら、60％バックで9,000円の報酬が得られます。さらに、指名料やオプション料金もキャストの収入となるため、接客内容や人気によって収入は大きく変わります。

出稼ぎのキャストに対しては「10日で50万円保証」などの待遇で、交通費や寮費を無料にするケースもあります。また、日給保証制度を導入しているお店もあります。

デリヘルは、施設を持たずに顧客のもとへ出向く出張型の風俗業態で、柔軟な働き方や高い収入が期待できる点が大きな魅力です。女性キャストの仕事内容はプレイ内容だけでなく、接客準備や移動・報告まで多岐にわたり、店側のサポートも重要です。

ホテヘルとの違いを把握し、参入しやすい業態を選ぶとよいでしょう。デリヘル店開業のためには、デリヘルの仕事を深く理解することが不可欠です。