デリヘル（デリバリーヘルス）は、サービスを提供する個室を用意する必要がないため、風俗店の中でも比較的開業しやすい業態として注目を集めています。一方で、低コスト・低リスクで即座に儲けることができると安易に開業した結果、思うように稼げない現状が続くケースも少なくありません。

デリヘル開業時に少しでもリスクを軽減したいのであれば、フランチャイズ制度を利用することがおすすめです。

そこで今回は、フランチャイズでデリヘルを開業するメリット・デメリットと、成功させるための方法を紹介します。

業界大手のグループを中心に、デリヘルのフランチャイズ制度を取り入れている企業は珍しくありません。フランチャイズ制度とは、本部と呼ばれる企業からお店の看板や商品などを提供してもらいながら開業・経営するシステムのことです。

デリヘルを開業するにあたり、フランチャイズ制度を利用することで、さまざまなメリットを得られます。フランチャイズ制度を利用する主なメリットは、以下の3つです。

フランチャイズ制度の利用は、既に業界で一定の店舗数と知名度を確立している本部から、商品などとともに店舗の看板も提供してもらえる開業方法です。

業界経験の少ない素人が個人経営で独自ブランドを確立する場合、コンセプト設計やデザインなど相応の時間をかけなくてはなりません。既存の店舗名・看板によって最初から知名度の高い状態で開業できるため、無名状態で新しく開業するよりも集客がしやすくなります。

知名度の高さは、既存店舗を参考にどのような料金システムやサービスか想像できることから、お客さんにとっても大きなメリットです。フランチャイズ制度が浸透しているコンビニ業界の例を見ると分かるように、提供された看板の知名度の効果でオープン時から安心して利用してもらえます。

フランチャイズに加盟すると、経営ノウハウやアドバイスも提供してもらえます。マニュアルが用意されているケースが多く、日常の業務の流れからクレーム対応を始めトラブル時の処理方法まで、一からルールを作成する必要がありません。

デリヘルを始め風俗経営は一般的な接客サービスとは異なるため、独自のスタッフ教育が必要です。マニュアルに沿って研修を実施すると、重要なポイントを見落とすことなく効率的にスタッフ教育を進めることができます。

マニュアルのあるフランチャイズに加盟することで、未経験者でも比較的質の高いサービスを提供できるため、お客さんから信頼を得られるようになります。

デリヘルに限らず、お店を開業するときは商品・サービスやマニュアルなど、さまざまなものを用意しなくてはなりません。更に安定した集客や求人を行うためには、ブランドイメージを早期に確立する必要もあります。

開業にかかる手間や労力を大幅に削減できる画期的な方法が、フランチャイズ加盟です。大手とつながりのある仕入れルートを活用して、個人で開拓する手間をかけずに必要な商品や備品を購入できます。広告もグループ一括で打ち出してくれるため、宣伝も効果的かつ低コストです。

フランチャイズ制度の利用は、さまざまなサポートを得られるため未経験者に心強い開業方法です。しかし、前述のとおり複数のメリットがある一方で、デメリットも少なからずある点を理解しておかなくてはなりません。

以下では、デリヘルの開業にフランチャイズ制度を利用する場合のデメリットを紹介します。

フランチャイズ制度は、看板や商品、ノウハウなどの提供を受ける代わりに毎月一定のロイヤリティを支払う仕組みです。ロイヤリティは本部となる企業ごとに異なり、売上や粗利益からあらかじめ決められた料率分を支払う場合もあれば、定額を支払う場合もあります。

また、契約時はノウハウなどを提供してもらうための加盟金（初期費用）や開業準備にかかる費用の負担も別途必要です。

開業時も店舗のオープン後も金銭面の負担が生じるため、売上によっては本部へ支払う費用の影響で赤字が続く可能性も考えられます。仮に高い収益をあげても、契約条件によっては稼いだ分だけ本部に支払うロイヤリティが大きくなることも理解しておきましょう。

フランチャイズ加盟店は、本部が確立させたブランドのイメージを遵守することが求められます。イベント企画などもブランドのイメージを損なわないよう配慮しなければならず、自由なスタイルで営業することができません。

たとえば、集客が落ち込んだときのテコ入れや、記念日企画として新しいサービスを検討した場合、ブランドイメージに合わなければ本部から止められる可能性があります。

本部の指示に従わず勝手な営業を行っていると、本部から契約違反の賠償金を請求されたり、契約解除されたりしかねません。

フランチャイズ制度を利用するためには、本部との契約が必要です。本部によっては、契約内容に加盟店側に対して厳しい条件や不利な規則が含まれている場合もあります。

契約時は安心して経営できる条件や規則か、隅々まで確認しましょう。条件や規則面でトラブルが生じると、安定した経営が困難となります。

また、途中解約する場合、違約金を支払わなくてはならないケースも少なくありません。開業や毎月の費用に加えて、解約した場合の条件についても確認したうえで、契約するかどうかを決めることが重要です。

デリヘルの開業・経営を成功させるためには、契約条件の良いフランチャイズ本部を利用する他にも、さまざまな方法があります。自分の目的や営業したいデリヘルのイメージ、サービス内容を考慮して、最適な方法を選ぶことが重要です。

最後は、デリヘルの開業・経営を成功させるための3つの方法を紹介します。

ひとつ目の方法が、フランチャイズ制度を取り入れている企業の中でも、大手グループを選んで加盟することです。特に未経験の方がフランチャイズ加盟を行う場合は、可能な限り大手グループに加盟することを重視しましょう。

大手デリヘルグループは堅実な経営をしており、安定性が期待できます。また、オーナー同士や本部のスタッフと交流できる機会が設けられることが多い点も魅力です。定期的に交流の場へ参加すると、経営を成功させるうえで欠かせない人脈作りや経営相談、日々の営業に役立つ情報収集ができます。

大手グループは既にフランチャイズ制度で複数の成功例があるため、限られた開業資金を効率良く使えるメリットもあります。

開業や店の経営に興味がありつつも、経験が浅いことに不安を感じている方は、現場を知ることから始める方法もおすすめです。既存のデリヘルで店長・幹部候補として働き、業界知識や経営のノウハウを身に付けましょう。実際に経営者に近い目線で現場を経験することで、マニュアルでは分からない部分の知識も得られます。

大手デリヘルグループの場合、独立志望の社員を支援する制度を設けていることもあります。

自分に合った経営方法が分からない方や、開業するにあたって何から始めるべきか分からない方は、風俗業界の専門家へ相談することをおすすめします。風俗業界の専門家は開業準備から店舗の営業、集客まで幅広く相談できる心強い存在です。個別相談を随時受け付けていたり、セミナーを定期的に開催したりとさまざまな専門家がいます。

また、開業に強い専門家に相談する他、集客に関しては実績の豊富な風俗業界を専門とする広告代理店の活用もおすすめです。

デリヘルを開業するときは、大きく分けると自力で開業する方法とフランチャイズ制度を利用する方法の2通り挙げられます。どちらもメリット・デメリットがあるため、自分が経営したいデリヘルを実現しやすいほうを選びましょう。

現状のフランチャイズ制度は、大手グループを中心に多くの募集があります。自己資金を効率良く使用し、最短ルートで安心して開業・経営したい方は、既にブランド認知されている大手グループのフランチャイズ加盟がおすすめです。知名度の高い看板や実績のあるノウハウを提供してもらえる他、他店の経営者など業界に有益な人脈を作ることができます。