コンセプトカフェとは、特定のテーマに沿ったカフェのことで、代表例としてメイドカフェや猫カフェなどが挙げられます。コンセプトカフェはコンカフェと略され、近年人気が高まるとともに店舗も増加傾向にあります。そのため、新規ビジネスとしてコンセプトカフェを開業したいと検討中の方は少なくありません。

この記事では、コンセプトカフェについての基本情報に加え、開業に必要な準備や、最も重要なコンセプトの決め方などについて詳しく解説します。

コンセプトカフェとは、特定のテーマやコンセプトに沿った衣装や内装などによってお客さんを魅了するカフェのことです。メイドカフェや猫カフェは、コンセプトカフェの代表例にあたります。

コンセプトカフェはお客さんにとって、非日常的かつ魅了的な空間です。一部のコンセプトカフェではよりお客さんの気分を盛り上げるため、キャストとの写真撮影やトークライブイベントなども開催します。

コンセプトカフェは以下の通り、お店の特徴によって4種類に分類できます。

上記の他にも経営者のアイデア次第で、さまざまなコンセプトカフェを企画できます。独自のコンセプトを打ち出して経営するカフェはすべて、コンセプトカフェの一種です。

コンセプトカフェは人件費を節約しやすい上に安定した集客が見込まれるため、ビジネスとして注目され、店舗も増加傾向にあります。

例えば、コンセプトカフェの求人には自分自身の趣味を生かせる環境で働きたい女性が関心を持つため、多数の応募を期待できます。ガールズバーやキャバクラほど高い時給を提示できない場合も、問題なく人材確保を図ることが可能と言えるでしょう。

また、コンセプトカフェはお客さんのターゲットが明確で、特定の趣味嗜好を持つ人に訴求しやすい業種です。お店のコンセプトによっては、日本のオタク系カルチャーに関心を持つ外国人旅行者の集客も狙えるでしょう。

さらに、コンセプトカフェはお客さんのリピート率が比較的高い業種です。お店の経営が軌道に乗った後は広告費を節約し、収益アップも図れます。

コンセプトカフェは内装や接客内容によって他のお店と差別化でき、働く人材も確保しやすいことから、飲食業界で成功したい人におすすめのビジネスです。以下では将来の成功に向けた第一歩となる、コンセプトカフェの開業に必要な準備を紹介します。

コンセプトカフェを開業する際には最初に、お店のコンセプトを策定します。コンセプトの策定後は開業エリア・内装・外装のイメージなどを検討し、初期費用の目安を見積もりましょう。

コンセプトカフェを開業する際の初期費用は以下項目の合計で、300万〜1,000万円程度かかることが通常です。

運転資金の金額は、人件費・家賃・仕入れ費・サービス利用費などの合計で計算します。コンセプトカフェの経営が軌道に乗るまでには一定期間を要することが多いため、運転資金は、最低3〜6か月分程度を準備すると安心です。

コンセプトカフェを開業する際には、必ず飲食店営業許可を取得する必要があります。開業するお店のサービス内容や営業時間帯によっては飲食店営業許可と合わせて、以下の許可も取得しましょう。

接待行為とは、特定のお客さんの横に座って会話したりカラオケを一緒に楽しんだりすることです。バーカウンター越しの接客であっても特定の人と長時間会話する場合は、接待行為とみなされるケースがあります。

開業するコンセプトカフェの種類によっては、物件の入居審査が難航します。スケジュールの遅れを回避するためには開業日の8か月前程度までに、物件を確保しましょう。

コンセプトカフェの物件候補を探す際には、開業エリアの不動産会社に相談します。もしくは、不動産情報サイトで希望条件を指定して検索し、情報収集してください。

物件候補が見つかり次第内覧し、内装や設備などを確認します。内覧する際には物件周辺の環境も確認し、イメージ通りのお店に適した場所かを判断しましょう。

内覧で問題がなければ必要書類を揃えて、入居審査を受けます。入居審査に通過した返事を受けた後には契約書に捺印・署名して、賃貸借契約を締結する流れです。居抜き物件で開業する場合には設備や機器を譲り受ける目的で、店舗資産譲渡契約も締結します。

採用活動の事前準備として、給料システムを明確化しましょう。コンセプトカフェで働くキャストの時給はお店の種類やサービス内容によって異なるものの、1,000〜1,500円程度が相場です。時給の他に各種バックを支給する場合には、内容とバック金額も検討します。

コンセプトカフェのキャスト募集広告はナイトワーク求人サイトの他、通常のアルバイト求人サイトへ掲載が可能です。応募が多数ある場合は応募した女性の中から、お店のコンセプトや世界観に合う人を採用してください。採用したキャストに対しては必要に応じて研修を実施し、制服の着用方法や言葉使いを教育しましょう。

コンセプトカフェの集客活動は、キャストの採用と同時期に行います。コンセプトカフェが活用できる集客ツールは主に、以下4つです。

店前に看板を設置すれば通りすがりの人に対し、コンセプトカフェの存在をアピールできます。ただし、開業する物件や地域によっては道路上へ看板を設置できないケースもあるため、事前によく確認しましょう。

路上でチラシを配布したい場合には開業地管轄の警察署で、道路使用許可申請を行う必要があります。道路使用許可の手続きには一定の時間がかかるケースもあるため、余裕を持った時期に申請しましょう。

出典：警察庁「道路使用許可の概要、申請手続等」

コンセプトカフェのコンセプトは、経営の成功・失敗を左右する重要要素の1つです。以下のポイントを考慮して明確なコンセプトを策定し、お店の経営方針としても活用しましょう。

コンセプトを決めるポイント

来店動機とは、お客さんが他店ではなく開業するお店を選択する理由です。お店の特徴として特に打ち出したい部分を検討すると、来店動機を明確化できます。

開業エリアは、ターゲットのライフスタイルやニーズに合わせて決めることが重要です。アクセスの良さや街の治安なども考慮して、開業するお店にとって最適なエリアを選択しましょう。

提供するメニューの内容やキャストの教育方針は、コンセプトカフェの個性に直結する要素です。ターゲットのニーズを踏まえた上で「どのようなメニュー、キャストが喜ばれるか」を検討し、詳細を決めてください。

コンセプトカフェは人件費を抑えつつ、一定の集客を見込めるビジネスとして注目されています。コンセプトカフェにはコスプレ系カフェからアイドル系カフェまでさまざまな種類があり、開業する場合は事前にしっかりとコンセプトを決めておくことが非常に重要となります。

開業にあたっては、コンセプトを決めた上で資金計画を立て、資格・届け出についても確認が必要です。また、物件や従業員の確保や宣伝に関しても考えておきましょう。